しゃーちゃんの雑多レビュー#1
愛しのマドモアゼル。
今宵あなたに雑多レビューをご紹介出来るのは最高の誇り、最大の喜びでございます。
では、どうぞおくつろぎ下さい。
ゆっくりご鑑賞になって。
将軍が腕によりをかけました……レビューを😉
記念すべき初めてのレビューは豪華にかつ大胆にご紹介しましょう!
さあご覧ください、今回紹介しますは人類が誇る英知の結晶の一つ。
「タラタラしてんじゃね~よ」です!!
私はこの駄菓子が好きすぎて1日2袋は食べています。マジで。余裕の箱買いをキメこんでいます。美味すぎるが故に。
さて!この写真を見た純粋無垢で可愛いぱっちりおめ目をしたエンジェルさんは「こんなどぎついビジュアルした駄菓子って不良が食べる駄菓子なんじゃ……?!さいてい!」と思うかもしれません。そんな貴方は今すぐ部屋の窓を開け夜空に瞬く星々を両肘付いて眺めましょう。そして願うのです。どうかこのレビューがクソでありませんようにと。
このタラタラしてんじゃね~よですが、実は中身を口にしたその時、果たさなければならない制約があるのをご存知でしょうか。
それは裏面に記載されております……。
「エスニックでピリッとキメました!ひとくちつまんで叫びましょう」
せーーーーのっっ!!
「タラタラしてんじゃね~よ!」
其れは冬が降りしきる帰り道。日は沈み、月は登るが曇天に隠れて薄ら明るく夜道を照らしていた。
「……お腹、空いたね。」
「……うん。」
「……これ、食べる?」
「……おかし……?」
「うん、ちょっと辛いんだけど……美味しいよ。」
「じゃあ……貰おっかな。」
小さな袋を、悴んで震える手で破る。手のひらに数量のタラを零して、そっと彼女の方へと伸ばしてみせた。
「……ありがと。」
彼女の可憐で細い指が触れる。爪は伸びていて少し痛い。彼女の爪の切り方は雑だった。
「じゃあ……食べよっか。」
「……うん。」
恥じらいからか、互いに目を合わせることはない。僕達は曇天の雪空を数秒眺めた後に口へと駄菓子を入れて、静かに呟いた。
「「タラタラしてんじゃね~よ」」
「……え?」
「……あっ。」
僕達は見つめあった後に笑い合った。そうだ、いつまでもタラタラしていてはダメなんだ。僕達が明日も同じ関係のまま過ごせる保証なんてない、明日も当然のように生きている確証もない。1日を精一杯に、懸命に。今、できることを。
「実はさ─────」
僕の言葉は地に落ちた雪が溶けるように、何処かへと消え去っていく。新たに出迎えてくれたのは何よりも暖かな言葉だった。
曇天の隙間から月の光が差し込み、僕達は優しくはにかんだ。
きっと、その時の僕らは世界で一番タラタラしていたのだろう。